それから数カ月。
私と東雲渉との関係は相変わらず腹の探り合いをしているようなもので。
それに対して、早和とは瞬く間に仲良くなり、胸を張って親友と言えるほどとなった。
そして、それと同時に…私から皆が離れていった理由もなんとなく理解してしまった。
きっと私は、思ったことをズバズバと言いすぎるんだと思う。
態度が大きい…ともいうのかしら。
それが良いことでも、悪いことでも…思ったことをそのまま口に出してしまうから、皆は私といることがイヤになって私から離れていったんだろうな。
その証拠に、以前クラスメイトが「宿題を見せてほしい」と言ってきた時に…
「自分でやるから意味があるんでしょ。人のものを写してもそれはあなたの力ではない。せめてギリギリまで自力で頑張ってから来なさい」
…と、つい言ってしまったことがある。
その時のクラスメイトとその友達の顔を見て、「やってしまった」と思ったのは言うまでもない。
私からそういう風な態度をとられた人は徐々に私から離れていくのだけれど…。
早和だけは、違った。
早和は、私がそういう風にものを言った時、賛同するか、自分の意見を言うかのどちらかをとる。
自分が間違っていれば素直に聞くし、違うと思えば真っ向から反論してくる。
そのおかげで、私も自分の間違った考えに気付かされた。
ただ優しい、可愛いってだけの子じゃない。
きちんと自分の意見を持った、芯のある子。
それと同時に、周りの人間をそのほんわりとした空気でなごませたりもする。
皆に愛されて…うらやましいという気持ちがあるのと同時に、これ以上の親友はできないんじゃないかとも思う。
◆ ◆ ◆
「久城さんは…なんで、華坂さんと友達でいるの?」
ある日の放課後…廊下を歩いていると、教室のほうから聞こえてしまった声。
早和がなんて答えるのかが気になるけど、その答えが怖い…っていうのも事実で。
本当は…早和だって、私といるのがイヤなのかもしれない。
そう思うと余計怖くなった。
やっぱり、聞きたくない…。
きゅっと目を瞑って、耳をふさごうとした時。