…ここ街中っ!!
その私の心からの叫びは、音になることなく消えていった。
口をぱくぱくとさせて真っ赤な顔で額を抑える私と、にこにこと嬉しそうな渉と。
明日も、明後日も、この先の未来も。
ずっとずっとふたりでいたい。
ぎゅっと手に力を入れると、ぎゅっと握り返してくれる。
そんな小さなことでさえ嬉しくてしかたがないんだから。
「早和ちゃんへのプレゼント買ったら、久しぶりに中学校に行ってみようか?」
「…うん、行きたい」
微笑みあって、手を繋いで。
私達は、初夏のよく晴れた空の下を歩きはじめた――……。
*END*