――――――――
――――――
「あーっ、どうしよ。早和への誕生日プレゼントが決まらない…」
「早和ちゃんなら、なんでも喜んでくれそうだもんな…」
とある6月の休日。
私と渉は早和の誕生日プレゼントを求めて、出かけている。
まぁ、名目はプレゼント探しだけど…結局は、デートだ。
その証拠に、という訳でもないけれど、私と渉の手はしっかり繋がっている。
…それにしても。
「……なんか、その早和のことわかってます、みたいな発言いやっ。早和の親友は私なんだから」
むぅ、と口をとがらせると、隣から苦笑している気配が。
「なんか、俺早和ちゃんが一番のライバルな気がしてきた…」
強敵だな…と呟いている渉をこっそり見上げて、心の中で話しかける。
…ねぇ、気づいてないの?
私が、一番安心できるのは、一番私を預けきれるのは、渉なんだってこと。
早和にとっての、明みたいに。
大好きなんだって、わかってる?
「…結希に寄ってくる男共には容赦しなくていいし…。やっぱり、一番強敵なのは早和ちゃんだよな。…うかつに手を出したら明に睨まれるしな…」
ふいに聞こえた言葉に、ちょっと驚く。
だって、なに、その何気に黒い発言。
渉、怒ったら怖いんだから…、少しは容赦しなさいよ。
腹黒王子は、相変わらず?
渉に“容赦されない”男の子達にちょっと同情した。
……だけど。