◇白黒恋争物語◆~運命の翼~





---301号室---



「遅いな~棗。何してんだろう・・。せっかく頼んだピザが冷めちゃうじゃん・・。・・領汰くんなら何か知ってるかな」




ピッピッピッ・・


トゥルルルルルル・・
トゥルルルルルル・・










<はい>


「もしもし?領汰くん?」

<有紀ちゃん?>


「うん。そそ。あのさ~、棗どこにいるか知らない?」


<え。2人でカラオケに行ったんじゃないの?>


「いや、カラオケで待ち合わせのはずなんだけど、まだ来てないんだよね・・」


<学校はもう10分前には出てるけどな・・。っていうか、出させちゃったっていうか・・>


「え。どしたの?なんかあった?」





実は・・

と言って領汰は有紀にさっきの出来事を話した。



「そうだったんだ」


<あぁ。もしかしたら、俺のことが原因で帰っちゃったのかも・・>


「でもそれはないかな~。そうだったとしても電話くらいかけてくるはず。何も言わずに約束破る人じゃないしね、棗は」


<そか・・。俺より有紀ちゃんの方が棗のことよくわかってるよな・・>


「そうかな~?でも昔から一緒な分、私より領汰くんの方が棗のことよく理解してるんじゃないかな」


<でも、さっきの話だって・・>


「それは、お互いのことをよくわかってるからこその喧嘩だって。お互いのこと知らなかったらそんな喧嘩しないよ?・・ただ伝え方の問題だと思う」


<伝え方・・>




「そそ。棗にちゃんと言いたいことが伝わるように話せたら大丈夫だよ!・・って、付き合い短いウチが知ったような口聞いちゃってごめん(汗)」


<いや。逆にありがとう。・・頑張る>

「うん。・・っていうか棗!」

<あ!そうだよな。俺、電話してみるから繋がったら有紀ちゃんに連絡するよ>



「OK!よろしく!」





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プープープー・・。




「・・大丈夫かな。棗・・」




有紀は1人カウンターへと歩いて行った。