---301号室---
「遅いな~棗。何してんだろう・・。せっかく頼んだピザが冷めちゃうじゃん・・。・・領汰くんなら何か知ってるかな」
ピッピッピッ・・
トゥルルルルルル・・
トゥルルルルルル・・
<はい>
「もしもし?領汰くん?」
<有紀ちゃん?>
「うん。そそ。あのさ~、棗どこにいるか知らない?」
<え。2人でカラオケに行ったんじゃないの?>
「いや、カラオケで待ち合わせのはずなんだけど、まだ来てないんだよね・・」
<学校はもう10分前には出てるけどな・・。っていうか、出させちゃったっていうか・・>
「え。どしたの?なんかあった?」
実は・・
と言って領汰は有紀にさっきの出来事を話した。
「そうだったんだ」
<あぁ。もしかしたら、俺のことが原因で帰っちゃったのかも・・>
「でもそれはないかな~。そうだったとしても電話くらいかけてくるはず。何も言わずに約束破る人じゃないしね、棗は」
<そか・・。俺より有紀ちゃんの方が棗のことよくわかってるよな・・>
「そうかな~?でも昔から一緒な分、私より領汰くんの方が棗のことよく理解してるんじゃないかな」
<でも、さっきの話だって・・>
「それは、お互いのことをよくわかってるからこその喧嘩だって。お互いのこと知らなかったらそんな喧嘩しないよ?・・ただ伝え方の問題だと思う」
<伝え方・・>
「そそ。棗にちゃんと言いたいことが伝わるように話せたら大丈夫だよ!・・って、付き合い短いウチが知ったような口聞いちゃってごめん(汗)」
<いや。逆にありがとう。・・頑張る>
「うん。・・っていうか棗!」
<あ!そうだよな。俺、電話してみるから繋がったら有紀ちゃんに連絡するよ>
「OK!よろしく!」
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プープープー・・。
「・・大丈夫かな。棗・・」
有紀は1人カウンターへと歩いて行った。

