――――この時はまだ知らない。 「白兎稚春…ね。」 金髪の女の子がそう呟きながら口角を上げて笑った事を。 「私はあんたの味方よ…。 ひな。」 "ひな"という存在も。 受け取った手紙で、止まっていた時がゆっくりと動き始めた事を。 この時の私は、全て知らなかった。