帽子を一向に渡そうとしない私の所に、慎之介が来る。


「どした?やっぱりお前変だぞ?カゼならゆっくり休めよ」


ヒョイと帽子を受け取り、慎之介はいつもの明るい笑顔で荷物の場所に戻って行った。


それから慎之介と共に、洋夢と利晴と李子も自宅に帰る事に。


大吾お兄様が「送らせるよ」と言ったが、車が迎えに来ていた慎之介以外は断った。


「じゃあな美名、また明日」


「そんじゃな!!今行くーーー!」


「………ごちそうさまでした」


Lieの見送りの最中、私はずっと俯いていた。


李子も帰った後、部屋に駆け戻る。