落ち着いた私は気になることを聞いてみた。



『あの、
じゃあなんで私に対して冷たかったの?
誘ってくれたりすることもなかったし…』



私がそう言うと意外な言葉が返ってきた。




「……俺は、ただ…

蘭に妬いてもらいたかった。」



「ちょっとやけになってたけどな」



そう言って苦笑した。


でも、妬いて欲しいって……




『なんで?』




「そんなの………


俺ばっかが妬いてたら悔しいじゃん…」



陸は頭の後ろをかきながら言った。




『陸が、妬いてたの?』



まさかね…

あの陸が妬くなんて…




「お前は気付いてないと思うけど、学年じゃ知らないやついないくらい人気なんだぞ」



『………え?』



「自覚しろ…」




信じられない…



まず、有り得ない…



そう思っていたら、



「これだから無自覚は大変なんだ。」



「でも、俺が女といようが、冷たくしようが何も言ってこねぇから〝やっぱ周りの女と変わりない〟と思ったけど、やっぱお前は違ったな」



『そう思う?』



「あぁ、ちゃんと俺を見てくれてる。
他のやつは冷たくすると〝つまんない〟とか言って消えるからな」



「まあ、俺もそっちのが有り難かったけど」



陸……



『私はちゃんと陸を見ているよ。
いくら私に冷たくしててもメールの返信はくれたし、電話をしたら必ず出てくれる…。

ほんとは優しいよね』



そう言って微笑んだら、



「っ///」



真っ赤になって下向いちゃった。