「レッスン8の(3)の英作文、書いてもらえる?」

「も、もちろんですっ!」


教室中が笑いに包まれる中、ふと瞬と目が合った。


『ばーか』


口パクでそう言って、意地悪くニヤっと笑う。





…誰のせいだと思ってんのよバカ!
って言いたい気持ちをぐっと堪えて、あたしはチョークを握った。





ボキっ…


「え…?」

「真姫、強く握り過ぎよ。
チョークを破壊してしまうほど不服なの?」

「里穂っ!」

「遠野さん!?」

「あははは!」

「真姫、怪力ー!」

「ち…違っ…!」


クラス中がまたしても大爆笑。
…瞬が一番爆笑してる。


…な、何なのよほんっとムカつくわねー!


そう思ったが最後、あたしの手は反射みたいに瞬の顔めがけてチョークの粉を投げていた。