ベチャッ…


「ギャ…やだ…冷た…」
「え?あー…ごめん…」

鼻と目の間に、バニラアイスの香りが漂う。ソレと同時に顔全体が冷たくて冷たくてしょうがない。
どうやら…同じアイスクリームを持った人とぶつかった…の…かな…?
相手のシャツには私のイチゴ味のアイスクリーム。
「って…ごめんなさい…ワザトじゃなくて…今拭きますね…」
と、相手のシャツのアイスクリームを拭き取った。
「君さぁ…そんなに僕の身体触りたい?」「え?」「ハンカチ…押し付け過ぎ…」「すみません。でも…こっちは真面目に…」
「だよね。」

と、男の子のシャツを拭き続けた。
すると彼は…。
「顔、ベトベトじゃん…ごめんね。」
「んッ…あ…大丈夫です…」
私の顔をゴシゴシ拭くハンカチは…なんだか甘い香りがした。