自然と気持ちは軽かった。
緊張などしていない。
いつもの通り…だけど、今から発する言葉は特別のように感じた。
「俺は…凌花と初めて出会って…最初はただ同じ悲しみを背負ってるくらいしか思ってなかった」
利用するなら利用してやろうと考えていた。
凄く酷い奴だと思う。
「付き合ってって言ったのも…きっとただの気まぐれで…本気じゃなかった」
ただ、悲しみを癒したかった。
誰かの心に寄り添いたかった。
きっと…灯以外の誰かに寄り添いたかったんだと思う。
「だけど…凌花は…真っ直ぐ俺を見てくれて…」
いっぱい傷つけた。
泣かせたこともあった。
それなのに、凌花はいつでも真っ直ぐに俺を見てくれた。
君の悲しみを俺は知らない。
だけど…ちゃんと聞いて、支えたいと思った。
「俺は…凌花が好きだ」
灯よりも…凌花を大切にしたいと思った。
二人で悲しみを乗り越えたいと思った。
「だから…凌花の過去を知りたい。一緒に…乗り越えていこう?」
「…先輩…こんなあたしでいいんですか?」
凌花は涙を流していた。
ぽたぽたと頬を流れる涙は澄んでいた。
俺はふっと微笑み、凌花の涙を指で拭う。
「当たり前だろ?俺が信じられない?」
「きっと…先輩は幼なじみの灯先輩を選ぶと思ってたから…」

