夕方の図書室
いつものように入ると、窓際に寄りかかっている君がいた。
本を読んでいる姿はいつもより陰っているように見えた。
「凌花…」
俺はそっとその姿に声をかける。
すると、凌花は顔をゆっくりと上げる。
「…先輩」
「此処にいる気がした」
凌花と出会ったのはこの図書室だった。
凌花はいつもこの場所にいた。
まるで、俺が来るのを待っているかのように。
自惚れているかもしれないけど…
「少ししか会わないでいたはずなのに…久しぶりに感じる」
凌花は恥ずかしそうにつぶやいた。
それは俺も一緒だった。
凌花と会っていないのは少しの間だけだった。
なのに、こんなにも凌花が久しぶりに感じる。
それだけ凌花への想いが強くなっていったということだろうか?
俺は急に照れ臭くなった。
今からいう言葉が、君にどう届くだろうか?
「凌花…俺の気持ち…聞いてくれるか?」
「…はい」
凌花は真っ直ぐ俺を見る。
俺ははぁーっと気持ちを落ち着かせるために息を吐いた。

