「あったあーっ!!」

1人でつい大声を出してしまった。
それと同時に大量の涙が
溢れてくる。

すぐに誠司に電話をかけようと
した時だった。

『うそー...山田くん落ちたって...。』

隣から2人の女の子が残念そうに
下をむいている。

あの誠司が大学受験に失敗するわけはない。
あんなに頭良いんだし...

でも─.....
落ちたって可能性があるわけではない。

どうしよう.....

♪♭♪♭♪♯

迷っている間に携帯が鳴った。

「もっもしもし!?」

誰からかの連絡なのかを見なかったから
つい声があがってしまった。

『美鈴?受かったの?いつまでたっても
連絡入らないから心配するじゃない~』

オロオロしたお母さんの声が聞こえる。

「うっ受かったよっ!信じられないよ。」

『まあっ?本当に?おめでとうっ!
良かった~...。』

お母さんが肩の力が抜けているのが
見なくても分かる。

『じゃ、今日はお祝いするからねっ。
早く帰ってきなさいよっ。』

「うんっ。じゃあ...。」─ブチッ

誠司からは...連絡がない。

もしかして...落ちちゃったの?