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そして─...やっと放課後になった。
美鈴は鞄を持って教室から
出て行こうとしている。
今がチャンス─。
「美「おっ、栗原。これ職員室まで
運んでくれないか?」
「ああ゛!?」
俺の肩にのった手をつたって
見ると担任がにっこり重いノートを
持っている。
「ぢょっ...みっみす...ず...。」
もう俺の手にはクラス全員分の
ノートがある。
「じゃ、頼むな。」
担任はまた俺の肩に手をポンっと
おいて教室から出ていった。
「...ふざけんなあ。」
職員室まで行って教室に戻って
美鈴のいるわけのない教室を
のぞいた。
やっぱりいない─。
「はあ.....。」
俺は廊下で座り込んだ。
「なーに?まだ美鈴とよりもどしてないの?」
後ろから声が聞こえてみると久しぶりに
俺に話しかけてくる笹野がいた。
「まあ...な。」
「そんなことしてると美鈴とられちゃうよ?
颯真くんとか颯真くんとか颯真くんとかー。」
「...尾崎は関係ねえだろ。」
「え?知らないの?あの2人ちょっと良い感じ
なんだけどねー。」
はあ...?
「美鈴は...菅谷とは別れたはずだろ?」
「そうだけどー...油断しないほうがいいよ?
ちゃんと美鈴の手をつかまえなきゃ。」
「...お前は誰を応援してるの?」
「あたし?あたしは─...
美鈴の味方っ♪」
はあ...?

