「お前さ「あたしわざわざ誠司のために
お腹痛いって噓ついてここまで
来てあげたんだよー?ありがたいとか
思わないわけ?」

「...それは、ご苦労さん。」

「そう思うんだったらキスして。」

はあ...。俺は大きなため息をこぼした。

「できない?この間はしてくれたじゃない。」

「終わりにしてほしい。頼む。
頼むから─...。もうお前との関係なんて
いらねえ。もう...二度と俺に関わる人を
苦しませないでくれ。」

「...あたしが好きになる人はあたしが
決めれるわけでしょ?だったらいいじゃん。
あたしがいじめようとすることも
あたしが決めれる。誠司はそれを阻止
したいからあたしと付き合った。違う?」

千夏は鼻で笑いながら意地悪そうな顔で
そういった。

「お前、いますげえ意地悪な顔してる。」

「いいよ。何と思われても。別れない。
絶対に。絶対にっ!」

千夏が珍しく少し動揺しているようにも
見えた。

「別れて...くれ。俺は、好きな人と一緒に
いたいっていう気持ちも分かるよ。
けど...スキな奴にはずっと笑って
幸せでいてほしいって思わねえのか?」

何でこんなクサい事を言って
いるんだろう。でも止められない。

「だから俺は、お前の馬鹿な話に
付き合った。でも全然良くなかったよ。
お前の命令には、従いたくない。
お前がどうしようと俺は絶対に
美鈴を守る!」

「そう言いながら...黒澤美鈴と
喋れてないじゃん。」

千夏はつぶやくようにそう言った。

「今更黒澤は、受け入れてくれると思う?
誠司のことなんてもう嫌いなはずよ?
そんな話しは絶対に信じないと
思うけど?」

千夏は少し汗をかきながら
そういった。

「...軽蔑されていると思う。それでも良い。
伝わってもらえるように俺は、ちゃんと
伝えるよ。」