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─ピンポーン
表札には【菅谷】と書いてある。
ここは...涼夜のマンション。
もう振り返らないって決めたから─...
私はいまここにいる。
─ガチャッ
「美鈴っ!?」
「涼夜...。」
「どうしたっ!?こんな時間にさ...。
もう20時だぞっ!?1人で来たのかよ?」
「あの...私...涼夜に...大事な話が...
あって.....。」
「...とりあえず入って。もう寒いし。」
「うん.....。」
部屋の中はリビングだけ明かりが
ついていた。
「涼夜─...いきなりごめん。」
「いいって。暇だったしどーせ1人だし。」
キッチンには食べた後のカップラーメンが
たくさんある。
「ちゃんと...食べてるの?」
「んー...まあな。あ、それは今日のラーメン。
俺、こー見えても料理するの結構好きだし。
弁当でも美鈴に持たせてやろうか?」
「.....その必要は...ないの。」
涼夜は私の前にコーヒーを置いた。
「とりあえず...飲め。」
「ありがと.....。」
こんなに優しくしてくれる人に...
私はこれから最低なことを言うんだ...。
「涼夜、あのね「別れるつもりはねえよ?」
え.....?
「あいつの元に行っても幸せには
絶対なれねえよ。分かるだろ?」
「けど「俺は本気で美鈴が好きだから
絶対に行かせねえよ。」

