私は...

「でも、先輩は栗原先輩といて
幸せだなーって思いませんでしたか?」

誠司といて...幸せだった?

『スキなんだ...。』

『美鈴が...スキ...なんだ。』

『あっああ...
やっぱりあのネックレス美鈴に買いたくて...。』

幸せだったよ─。
ずっとドキドキが止まらなかった。

「ウッ...私、私...「大丈夫ですよ。」

え.....?

「やっとほんとのこと言ってくれたね。
みんな美鈴先輩のこと分かって
くれますよ。だから...ほら、進んで?
幸せ...もらいましたよね?
栗原先輩から。だったら美鈴先輩も
幸せ...あげなきゃいけませんよ?」

誠司は私からの幸せを
望むの─.....?

でも─...やっぱり─...

「行けないよ.....。」

私が誠司に期待できることは
もう何にもないんだから─。

「...無理に行かせれません。私は。
けど─...死ぬほど羨ましかったです。
栗原先輩と美鈴先輩が。私、憧れてました。
美鈴先輩に。」

「え─...?」

「強くて堂々としていて可愛くて...
ずっと私の憧れでいてほしいです。
そんな弱い美鈴先輩は知りませんっ!」

「っ.....。」

「よくもう一度考え直して...
ください。」

萌華ちゃんがレジの前まで行こうとするのを
私は引き止めた。

「萌華ちゃんっ!それってまだ...
信じていていいのかな?誠司のこと─...?」

「...はい。」

萌華ちゃんはにっこり笑った。