美鈴Side
あれから颯真くんには学校でも
会っていない。萌華ちゃんの姿も
見なくなった。
また前のように私は過去から
離れていけている。
そして明日は...誠司と私の1ヶ月の
記念日。
けど─...
最近の誠司は様子がおかしい。
何か話しても上の空だし私の話なんて
何も聞いていないみたい。
そしてよく私をじっと見つめてくる。
でも...それ以上は何もない。
聞いても「別に。」で終わりだし。
「それって...もう飽きられちゃったとか?」
「そっそんな.....。」
「じょっ冗談だって。誠司くんあーんなに美鈴に
溺愛してたんだからそれは冗談だよ。」
「う.....。」
愛梨に相談してもこんなことを言われた。
やっぱり私...飽きられちゃったのかな?
考えてみれば2週間も一緒に帰っても
くれないし...おかしいよ。
「やっぱさ、ちゃーんと話してみたら?」
「だっだって...誠司はよくわかんないけど
一緒に帰れなくて話すらできないし。
朝だって誠司暗いし.....。」
「電話とか...とにかく話さなきゃずっと
モヤモヤしたままだよ?」
「う.....ん。」
やっぱ話してみなきゃ...だめだよね?
──────
【誠司】
発信ボタンがどうしても押せないまま
もう夜の9時になった。
何度も押そうとしても手が震えて
押す事すらできない。
繋がっても何話せばいいんだろう?
♪♪♯♭♪ー
「わっわわわ!」
【愛梨】

