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「誠司...お前変じゃねえか?」

「...何が?」

健也は読んでいた雑誌を置いて
俺をじっとみてきた。

「何...お前浮気でもしたの?」

「.....はあ!?」

俺が浮気っ!?そんなことぜってえ
ありえねえだろ。

「だってお前さっきの女の子に
呼ばれてからずっと変だぞ?戻ってきても
ボーっとしてるし。」

「.....別に。」

健也に言う事ではない。
これは...俺と美鈴の2人の問題だから。

「ほんとかよ?美鈴ちゃん泣かしたり
するんじゃねえよ。」

「...知らねえよ。」

「は?」

「だから俺は美鈴なんてもう
知らねえよっっ!」

「お前...。」

健也は驚いた表情でしばらくの間
固まっていた。
俺もなんでこんなことを言ったんだろう。
だんだん美鈴のことが信用できなく
なってきてしまっている。

それが怖くて─...たまらなかった。