「あ、もう1つ。黒澤先輩の
ファーストキスの相手は
菅谷涼夜です。」
「えっ.....!?」
美鈴のファーストキス...
俺達が付き合うことになった日に美鈴が
言っていた...ファーストキス?
「私、見たんですよね。」
「...んで...お前はそんな事
言うんだよ.....。」
「ふふっ、だから美鈴先輩に恨みがあるんです。」
「.....美鈴に?」
「はい。今まで私の男取ったり...
友達もどんどんとっていった。私、1人ぼっちだった。
それをみてきっと楽しんでいたんでしょう。
私に話しかけてきたり...ほんとに、
美鈴先輩が憎いんですッッ!」
「っっ.....。」
「いま美鈴先輩が何しているか栗原先輩には
わからないと思いますが浮気じゃないですか?」
美鈴はそんな悪い奴じゃない。
それは俺が1番分かっているつもりだった。
けど...信じたくても...
そんな悪い過去があったなんて言われたら
俺は...どう美鈴を信じてやればいいんだ。
「じゃ、私はここで。あ、この写真は
栗原先輩にあげます。」
そう俺の手を取って写真を渡してきた。
こんなものいらない。
すぐに返そうとすると彼女は走って
姿を消していた。
追いかけようとしても足が地面に
はり付いている様で全く身動き
できなかった。
俺は─...
美鈴を信じているのに。

