「私...引っ越してきたばかりで前の県ではよくちゃらちゃらしていたんです。それで桜ヶ丘中学来たら私みたいなそーっくりな人間がいてすぐにみんなの中に入れたんです。けど...みんな汚くて...全然仲間意識がなかったんです。それで私...結構浮いてて...よく1人で知らない男と遊ぶようになっていたんです。その男がクラスの女子の彼氏だったみたいで...毎日のように嫌がらせをされるようになっていたんです。それを美鈴先輩が見かけて助けてくれたんです。それで私は、ずっと美鈴先輩の後ろを歩いていたんです。」

美鈴がそんなことを.....?

「つまり...美鈴は...不良だったのか?」

「...違いますよ。」

「じゃあ...何なんだよ?」

腕の傷。美鈴が隠す過去。
俺に知られたくない過去なら
俺は、知らないままで良いって思う。
でも美鈴が悩んで...苦しんでいるなら...
俺も知って一緒に考えてやりたい。
ずっとそばに...隣にいてやりたいから。

「美鈴先輩は─.....。」

「.....?」

「正義の味方でした。」

「.....は?」

「じゃ、私はここで失礼します。栗原先輩。ごめんなさい。別れろとか言っちゃって.....。これから美鈴先輩をずっとずっと大事にしてあげてください。隣から消えないでください。約束ですよ。」

「ああ.....。」

そんな約束コイツとしなくても
ずっと隣にいるつもりだった。
永遠に...美鈴の隣で美鈴の笑顔を
見ていたい。