その時ドアが勢い良く開く音がした。

「いたあ―!誠司くん美鈴から離れろーっ!」

「いってえな!なんだよ!鈴木っ!」

「あっ愛梨?!」
見られてた...の?

「朝からいちゃつきすぎ!美鈴、先生が呼んでたから行くよっ。」

「え?なんで?」

「いいからっ!」

「あ、うん。じゃあね。誠司。」

「また後でな。」

そう言って私は愛梨に連れて行かれ体育館裏まで来た。

「なっ何...?」
愛梨は真剣な目で私を見つめている。

「朝の男の子...美鈴まだ気づかない?」

「朝の...?」

よく分からない。なんで愛梨はこんなに怖い顔をするのかも―...

「朝の人って誰?」

「中学で一緒だった...尾崎颯真だよ...。」

「尾崎...そう...ま?あ!もしか...して。」

体が震える。尾崎颯真は...私たちの中学の後輩。

でも、ただの後輩ではない...。

「あい...り。」

「...美鈴。」

私たちはただ黙って中学時代の思い出をよみがえらせていた。