「んで―...美鈴帰んないの??」

「へっ...?」

誠司は私のスクバを持って私を見下ろしていた。

「誠司―...??」

「美鈴...もう放課後だけど―...」

「あっ...うん。じゃ、いこっか。」

「美鈴...今日は―...」
あ、そうだった。今日から誠司は2週間一緒に帰れないんだった。

「ごめんごめん。じゃーね。」

「美鈴っっ!!」

「ん?」

「校門まで送る...」

「あっ...うん。」

校門だけなんて言わないで欲しい―...

一緒にいたいよ...

でもそれは私のわがままで―...
「じゃーな。」

「...。」

「美鈴...??」

私は黙ったまま誠司のシャツの裾を握った。

「明日は迎えに行くから。」

「うん...。」

誠司は私の頭を撫でた。

私は誠司の事を離しゆっくり歩き出した。

寂しい―...

今まで1人で歩くのが平気だった帰り道...