沙菜Side
「沙菜.....。」
放課後。うかないかおで
綾乃が近づいてきた。
綾乃の顔を見ただけで分かった。
悟のことだ。
言いにくそうな感じ。
綾乃は関係ないのに...迷惑かけて
悪いなって気持ちと恥ずかしい気持ちで
胸が痛かった。
「綾乃、いいよ。気使わないで言って。」
「っ...うん。...悟ね、
またうららちゃんと田舎に戻ったの。」
「え.....?」
予想もしていなかったことに...
驚きを隠せない自分がいる。
「悟は...どこまでばかなんだろうね...。」
綾乃も涙をこらえているようだった。
「...もういい。」
「え?」
「っ...もういいよ...。もう十分...。
私は...1人で大丈夫。」
「沙「お願いっ!1人にさせてっ。」
私の肩にのった綾乃の手を
振り払って私は校舎から出て行った。
あまりにも恥ずかしくて...
情けなくて...自分がどうでもいい存在に
思われているような気がして...
辛くて寂しくて...
消えてしまいたかったからだもん。
悟─。
どうして彼女の私じゃない...
うららちゃんにそんなに優しくするの?
悟は...
誰を愛しているの─.....?

