「そっそう.....。」

おにいは何も言わないで黙って
私の部屋から出て行った。

冷たいのは...どっちよ。
何も言わないでコソコソうららちゃんと
会ったりしてるのは悟じゃん。
冷たいのは悟のほうじゃん...。

何で─.....?

─────

─トントン

何度も私の部屋のドアが叩かれる
音がして重たい瞼を開けると
おにいの声が聞こえた。

「沙菜~起きてるのかー?
シチュー作ったぞ。」

目をこすりながら時計をみると
19:00と記されている。

私...どれくらい寝ていたんだろ?



降りていくとおにいの姿しか
なかった。

「へへっ、久しぶりのおにいの手料理
たっくさん食べろよ。」

おにいは私のピンクのエプロンを
している。こうやって見ると
やっぱり私と似てるな~って思う。

「...おにい、私と結婚してよ。」

おにいはポカンと口をあけている。

「やっぱりおにいが一番だもん。
ブラコンでもいい。おにいがいいっ!
おにいと結婚するーっ!」

私はおにいがつけているエプロンを
握り締めた。

「おっおい。沙菜落ち着けって。」

おにいは無理矢理私の手をエプロンから
離そうとするけど私は、絶対
離さない。

「おにいが一番だもんっ!」

─バチンッ

私は、頭に痛みを感じておにいを
見上げた。
おにいは珍しく怖い顔をしている。

「おに「沙菜。お前は、ちゃんと悟から
話聞いてねえのか?」

「別に聞くことなんかないもん。」