沙菜Side

家に1人で帰ってぼんやり外の
景色を見ていた─。

悟はちゃんと家に着いたかな?
雨降っているのに...大丈夫かな?
そんな心配ばっかり。

でも私は...たぶん悟に
呆れられちゃった。
冷たいって言われたんだから。

もう嫌われちゃったのかな─...?

こんなにスキなのに...重いのかな?
私はダメな子なのかな...?

─ガチャッ

ドアが開いた音が聞こえてみると勝手に
おにいが私の部屋にいた。

「おにい?どうしたの?」

「...雨やべえな。ずぶ濡れだよー。」

おにいはタオルでゴシゴシ髪を
拭いている。

「お風呂沸かす?」

「いや、いい。それより沙菜に聞きたい事が
あるんだ。」

「え─.....?」

「うららちゃんってこっちに来てるの?」

私はピタッと固まった。
そんな話聞いたことないから。

「え.....?」

混乱している私におにいは質問を
繰り返す。

「うららちゃんの姿見たんだけど
知らない?悟から聞いてなかった?
なんか声かけずらい空気だったから。」

悟と─...?

「それ...どこで見たの?」

「えっと...駅の前だったかなー。
そんで帰り道ちょっと一緒だったから
バレねえように後ろから少し
歩いてたけど悟の家のほうに
向かって帰っていったけど。」

さっきの悟の電話から...
悟は、急に急いでいなくなった。
何で─.....?

「沙菜知らねえ?」

「...知ら、ない。」