「...ねえ、悟は、頭痛くないの?」

車に乗ってる最中何度も
姉ちゃんや母さんに聞かれた。

「大丈夫だっつーの。もう縫ったから
ばっちりくっついたんだろ?
人間の頭って簡単に
われちゃうんだなー。」

俺は、冗談っぽく笑っていったが
母さんも姉ちゃんも黙っていた。

「...あまりもううららちゃんとは、
関わるんじゃないわよ。
昔から弱い子だったし...
悟は、巻き込まれる必要は、なかったんだから。」

母さんはバックミラーで俺を見ながら
そういった。

「...そんな言い方は、ねえんじゃね?
うららだって父さんがいきなり
倒れて何がなんだか分からないし
うららが一番つらいんだから。」

俺はバックミラーで母さんを
少し睨みながらそう言った。

「あら、悟って昔うららちゃんのこと
好きっぽかったけどまさか
今もすきなのー?」

母さんは、少し苦笑いで
そう言った。

「はっはあ!?何で俺が
うららをすきってことに
なるんだよっ!」

「今のを聞いたら女のわたしは
そう思いましたけどねー。ま、
そんなのは別にいいけど周りは
そう勘違いしてもおかしくないんじゃない?」

勘違い...?俺がうららを好きって?
絶対ない。
うららは、俺の幼馴染。

恋人なんて思えない。

全然恋愛対象じゃねえよ。

うららは俺が幼馴染だから
あんなに頼っているだけ。
そりゃ、昔はうららの後ろばっか
歩いていたけど...。