沙菜Side

「じゃ、私たちは一旦先に帰るね。」

「ん.....。」

うららちゃんのお父さんが
昨日倒れた。

私とおにいは、一旦自分の家に
帰ることにした。
悟と綾乃はうららちゃんが
落ち着くまでこっちにいると
言った。

夏休みは.....
あと4日なのに─.....。

「沙菜は何も心配しなくていいんだからな。」

悟が駅まで来てそう言った。

「あ...うん。」

悟は私の頭を優しくなでて
微笑んだ。

そんなこと...うららちゃんにも
して...優しく笑顔見せるのかな?

私って最低だな。
ほんと自分が嫌い。
今は一番ツライのはうららちゃんなのに...
こんな最低なこと考えている......。

早く...汽車乗っちゃわなきゃ。

「あ、沙菜。」

「ん?」

私が一歩下がると悟が私の
腕をつかんだ。

「何?」

悟はじっと私を見ている。

「まだ...汽車動かないし...
喋っててもいいだろ?」

「そうだ.....ね。」

やめてよ。そんな風に言うの。
悟も一緒に帰りたいって
言っちゃうよ.....。