悟Side

「きゃー、裕也やめてー♪」

沙菜は結局ここまで来なくて3人で
遊んでいる。
ちょっとつまんねえや。

沙菜の方をチラッと見た。

「沙...菜?」

沙菜が知らない男2人と話している。
知り合い.....?
でも沙菜の様子がおかしい。

「悟っっ!?」

裕也や姉ちゃんに呼ばれているのなんか
気づかないで俺は夢中で
クロールで沙菜の元まで泳ぐ。
途中でいろんな人とぶつかってしまった。
でもそんなのはどうでもいい。
沙菜が心配で心配でたまらなかったから。

「沙菜っっ!!」

やっと沙菜の元に辿り着いた。
沙菜の目からは涙が溢れていた。

「なっ何かされたのか!?」

沙菜の隣にいた2人組の男は俺をみて
急いで走って消えた。

「なっ何でもなぃ.....。」

沙菜は後ろを向く。

「悟っっ!沙菜!」

「おにぃ...綾乃...。」

「どうしたんだよ!?急に走っていなくなるからびっくりしたじゃねえか。」

裕也達に何も言わないで来ちゃったんだった。

「悪ぃ.....。」

「沙菜っ!大丈夫っ?」
姉ちゃんは、沙菜が持っていたパーカーをすぐに羽織らせた。

「大丈夫だよ。」

また沙菜のいつもの笑顔。
でもこれが本当の笑顔じゃないんだ。
今日、俺が笑わせてやるって決めたのに。
泣かしちゃった。それも1人で.....。