なんていいながらも和也の
差し出してきた手を握る私も私も。
今握っとかなきゃもう二度と
握れないような気がしたから。
手袋をしているけど和也の
手のぬくもりが伝わってくるようだった。
────「わあ、綺麗ー。」
あちこちに光っているあかりが
わたし達を包んでいる。
「そうか?」
やっぱり隣の和也は夢のない男。
夜の街にあかりが灯っている。
今宵は...クリスマス。
周りは家族ずれや恋人達、
友達なんかでにぎわっている。
「ねぇ、イルミネーション見たカップルって
別れるジンクスあるって
聞いたことある...。」
前にお母さんが言ってた...。
「まぢで?はは、俺らやばくねー?」
「...何笑ってんのょ。」
ジンクスだけど...なんか嫌だ。
「大丈夫だって。ただのジンクス
なんだから。したらどの恋人も一緒に
イルミネーション見れねぇじゃん?」
「うん...。」
「そんなジンクス俺らが壊してやるっつーの。」
「...。」
「玲奈?」
視界がまた...ぼやけてにじむ。
ジンクスなんて関係ないって言ってくれた和也。
凄く凄く嬉しかった。けど...
明日になったらもう私の隣に
和也はいなくて...
─ギュッ