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「まっまってよ。まだ心の準備が「んなもの必要ねえだろ。ほら手よけろ。」

玲奈が耳を塞いでいる手を
俺は強引にどけた。

ふざけたテンションの俺とは
違う真っ直ぐな瞳で玲奈は俺を見る。

「...クリスマスは2人だけで
過ごそう。」

「.....?」

「え?やだったわけ!?」

玲奈は大きな目を見開いて驚いていた。

「やっやじゃない!だってぇ...
まっまさか...一緒に過ごせるなんて
おっ思って...なかったもぉん...。」

玲奈はもう泣き出した。

「嘘じゃねえよ。まぢだから。
つうか泣くなー。」

俺は玲奈を抱き寄せた。

「ふぇぇ...だっだあってぇ.....。」

俺は玲奈の耳に口を近づけた。

「...そのかわり...25日の夜...
母さんと行くから。」

「え─.....?」

玲奈の表情が一気に曇った。
だけどすぐ玲奈は頷いた。

「...分かったよ。」

小さな口を動かして言った
玲奈の言葉に胸が
熱くなった。

「ごめんな。玲奈。」

自分がどれだけおろかだったのか
今になってやっと気づいた。