俺様王子にご注意を


「んー...まあ...それよりさそのうち
デートしよう。」

「ふふっ、何いきなり。」

こんな誘い方初めてだよ。

「...クリスマス先取りみたいな?」

「ああ、そうだ...ね。」

クリスマスか.....。

「母さん達12月20日までには家
出る予定なんだってさー。」

ネクタイを緩めた和也が私を見る。

「...分かった。」

「本当にいいのか?」

「へ?」

本当にまだ間に合うんだからね。
恵美の言葉が何度も繰り返す。

「俺のことは何も考えんなよ。」

違う。だって
「和也のことがもう私のことに
なっちゃってるんだもん。いい加減
わかってよ!」

こんなムキになることないのに。

─ギュッ

「へ......?」
何で...?

「あほ。ばか。まぬけ。」

なっ何でそんな事言われなきゃならないのよ。

「.....スキだ。」

...?

「スキだ。誰よりもスキだっ。」

「っっ.....ふぇ。」

もうおさえられないよ。限界。

「...ぃか...なぃ...でょ。」

「...?」

だめ。玲奈、言っちゃだめ!

「いかない...で!ずっとそばにいてっ!」

もうおさえられなくなっていた。