俺様王子にご注意を


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今日も結局和也と2人の夕食。

おばさん最近帰ってくるの遅いな。
せっかく2人だし...

「...和也、ほっ欲しいものとかある?」

「えっ、何で?」

和也はお箸を一瞬とめてこっちを
見たけどまた手を動かし始めた。

「いやー...もしも手に入るとしたら
何欲しいかなーって恵美と
話しててさ...へへ。」

われながらバレバレ...?

「う~ん、いらねえ。てか金使うな。」

ほら、やっぱりバレてるじゃん。

「...じゃあ、そういうの関係なしで
本当に欲しいものは何?」

「だからねえって。」

「いいから言ってよ!」

何で私もこんなむきになってるんだろう。

和也はしばらく黙り込んで私をじっと
見つめた。

「なっ何?」

「...時間。」

「へ?」

「時間をこのまま止めるか進ませたい。
進ませるんだったら俺らがまた一緒に
過ごせる時間に。止まるんだったら
このままずっとこうしていたい。」

和也......。

「...永遠があればいいのにね。」

「...作ろう。2人で永遠を。」

「和っ...んん...ん。」

テーブルからお箸がおちていった。
でも拾わなかった。

神様─。
永遠はこの世に存在
するのでしょうか?