玲奈Side
「大倉っちったら何にやにや
しちゃってんの~。」
笑いながら近づいてきた誠くん。
「ええっ!?にやにやなんて
してな「してたね。ほーら、やっぱり。」
そう言って村上くんは私が
読んでいた雑誌を取り上げる。
「なっ///べっ別にいいじゃん。
返してよ///」
「ペア特集!クリスマスをどう過ごすかは
あなたしだい!ここが運命の
分かれ道!くううっ!いいね、この特集。
読み終わったら貸して♪あ、
和也とどっか出かけたりすんの?」
「...まだ誘われてないんだ~。」
何でこんな不安になるんだろう。
顔がひきつるな...。
「...ふうん、まー和也も誘い方で
悩んでいるんじゃね?」
「...だったらいいんだけどね。」
「??」
「なっ何でもないよ。」
誠くんに意味が伝わらなくて良かった。
私が心配なのは和也がまだ
いつに九州に行くか
ハッキリ教えてくれないこと。
もしかしたらクリスマスは一緒に
過ごせないんじゃないかって...。
「はぁー......。」
クリスマス特集の雑誌もこんなに
買っちゃったけど気が早いのかな...?
クラスを見渡すとみんな楽しそうに
お喋りをしたりじゃれ合ったり
本を読んでいたり─.....
私だけ急ぎすぎなのかな.....?
みんなは時間に不安に
ならないのかな.....?