「......。」

西本は拍子抜けしたような顔で
俺をじっと見る。

「なんか文句あんのか?」

俺は両手をグーにして西本に向けた。

「...ふっ、ははははは。お前
面白えな。」

......は?

「最高、まぢ最高。こりゃ、玲奈がべた惚れ
すんのも仕方がねえかー。」

西本はバシバシ俺の肩を叩く。

「なっ何だよ。それ。」

「ん?玲奈はお前にべた惚れなの。」

「は?」

「言ってたよん。和也くんと約束しちゃったから
俺の気持ちは受け取れませーんって。
はは...俺、今お前が死ぬほど
羨ましいかもしれねえよ。
本当はめっちゃ腹立つけどよ、
俺が記憶が消えていなくても玲奈と関係が
あっても...お前に玲奈とられていたな。
.....大丈夫だ。後は全部お前に
任せたから。」

「.....ああ。」

俺は西本になんとなく申し訳なくて
ずっと下を向いていた。

「下向くな!お前はラッキーだ。
だから...玲奈と一緒に上を向け。
玲奈のためにも...な。」

「...分かってるっつーの。」

「まっで玲奈のこと泣かしたら
許さねえからなっ!」

「ふっ...どうかなー?」

「なっ、お前なあ!...。」

西本は最初はムッとした顔を俺に
見せたがすぐに笑い出した。

...まだ1人いいダチが出来たような
気がした。