俺様王子にご注意を


『まぢで!?何で体育嫌いなの!?』

あの時の龍也は凄く驚いていた。
龍也は、体育が本当に好きだったもんね。

『...運動音痴だしすぐ筋肉痛に
なるからいやなの。』

『っぶ!』

『なっ何で笑ってんの?』

『いや...面白い人だな~って。』

あの時...風が2人を優しく
包み込んでいたんだ。

あの瞬間から...私は龍也に
心をひかれていた。
龍也の笑顔に...負けていたんだ。

でももう.....

─「玲奈。どうしても大宮がいいの?」

私は黙って頷いた。

「九州に行っちゃうんだぜ?置いてかれても
玲奈はいいのかよっ!?」

違うよ。置いていくんじゃないよ。
言いたいけどいえない私。

「俺は玲奈を1人になんてもう二度と
しねえぞ!ずっと一緒にいてやれる!
スキだっ。」


『スキだ。付き合ってください。』

中学生の時に龍也に言われた一言。
凄くドキドキして胸が高鳴った。
あの胸の鼓動は今でも思い出せる。
だけどもう...このドキドキは
龍也へ対するおもいじゃない。

私は─...

「...ごめんなさい。龍也。」

龍也は顔をあげて笑い出した。

「...何、だよ。」

「答えはもう...決まっていたの。」

だって.....

「和也と...約束したの。だから...
和也は私を1人になんてしないよ。
そして...龍也。」

「んだよ.....。」

「龍也は私を1人になんて
してないよ。」

龍也の目からうっすら涙が見える。