玲奈Side

「良かったじゃん。和也くん
残ってくれるって。」

休み時間に恵美と話していた。
やっぱり知っていたんだな~。

「うん...。でもさ、行かないって
言ってくれているけどまだわかんないじゃん。」

「なんで?」

恵美は不思議そうに首を
かしげた。

「だって...まだまだ日付がたっぷり
あるから...人の心なんて簡単に
変わっちゃうし...でも自分じゃ
相手の心なんて変えれないし...」

「でも和也くんの心を強くしたのは
玲奈ちゃんだよ?」

「和也は元々私なんかよりずっと
強かったんだよ。」

だから和也はこんな弱い私を
支えて受け止めてくれた。

「玲奈ちゃんっ。自信もちなよー。」

自信なんて...無理だよ。

「当たり前だと思ってた。和也と
ずっと一緒にいれることが。
でも違ったんだよね。タイムリミットが
あるんだなって思った。永遠なんて
存在しないんだなって思ったよ。」

「...まだ決まったわけじゃないでしょ?
和也くんは玲奈ちゃんを
おいてどこかへ消えてしまったり
しないし。」

「...恵美にはわかんないよ。
捨てられるかもって不安な気持ちが。」

恵美は顔を歪ませた。

「和也は私を忘れたりなんてしないって
信じてる。けど...怖いの。
離れたら顔も見れなくなっちゃうんだよ。」

恵美はそっと私の小指を
窓から出して空に向けた。

「赤い糸が私たちをきっと
守ってくれるよ─。」

「赤い...糸?」

「そうっ。赤い糸。玲奈ちゃん。
この糸は誰と繋がっているのか
みーんなわかんない。
だから面白いでしょ?」

「う...ん。」