─────

「はあ!?まだお前、そのこと
大倉に話してねえのかよ!?」

「ちょっ、静かにしろ!声でけえよ!
隣の部屋には玲奈がいるんだから!
もう少し静かに考えて喋ろよな!」

俺は片手で誠の口を
ふさいだ。

「で、お前はどうするわけ?」

「...分かんねえ。」

「はあ!?まだ決めてねえのかよ!?
もう9月になるんだぞっ!」

誠は身を乗り出して立ち上がった。

「分かってる...けど...。」
どうすることもできねえんだよ。

「...お前がそんなに悩んで
迷っているの初めて見たかも
しれねえな。」

「ははっ、だよな。」

俺は、鼻で笑った。

「笑っている場合かよ。」

誠は、大きなため息を吐いた。

「でもさー...。」

俺は、ベッドに寝転がった。

「あ?」

誠は無愛想な返事をしながら
せんべいを食べている。

「俺が母さん達についていったら...
玲奈はどうなるわけ?」

「そりゃ、この家にも暮らせなくなって
住む場所なくなるよなー居候
卒業ってことだろー?」

それはヤバいのかもしれない。