玲奈をチラッと目だけ上を
向いて見てみた。
すると玲奈と目があって俺は
すぐ下を向いた。
「...かっ和...也...顔を...
あっあげ...て。」
玲奈の声が震えている。
何にそんなに緊張しているのだろうか。
「何...?」
─チュッ
...はあ?
顔を上げて気づいたら目の前に
玲奈の顔がある。
玲奈は両手で俺の頬を支えて
キスを...した。
それと同時にリップ音が聞こえた。
「...は?」
唇が離れるとキスをしてきたのは
玲奈なのに玲奈の顔が
トマトのように真っ赤だった。
「な...に?」
俺は、また聞き返した。
「っっ...ばか!ばかばかばかばかばかーっ!」
玲奈は連続で俺の頭を叩いている。
「いって!ちょっ...ストーップ!やめろ!
いきなり何すんだよっ!」
俺は玲奈の手首を掴んだ。
「ひどい...。」
ひどい?叩いてきたのは玲奈のくせに?
「和也...本当に本当に本当にわたしのこと...
スキなの?」
なんだ?その質問。
玲奈は今にも泣きそうな顔で俺を
じっとみている。
「スキ...だけど?」
「でも...ドキドキしちゃっているのは、
いつもいつも私だけなんでしょう?」
は...?意味分かんねえ。