「和也くんはいま高校1年生
なんだってね。」

「あ、はい。」

「いいねー。若くて。
弓道部なんだって?実は俺も昔
弓道部に入ってたんだよなー」

「あら、以外。」

母さんは楠木さんを幸せそうに
見ながら話す。

「ああ。...けど急に上手くいかなく
なっちゃってさ...でも悔しくて
ずっと練習してたら調子戻ったんだよ。
懐かしいなー...。」

楠木さんは景色を見ながら懐かしそうな
顔をして言う。
俺にもそんな懐かしそうに話せることが
あるのだろうか......。

「あれ、和也くんと同じ制服着た子
いるけど?」

「え.....?」

見ると弓道部のジャンバーを着た
男子が1人とうちの学校の
制服を着た女子が入ってきた。

あれは...西本と...玲奈!?

「あら、玲奈ちゃんじゃないの?」

「しっっ!!」

俺は夢中で母さんの口を手で
ふさいでいた。

一体.....何で?

「あ...コホン...和也くん。大事な話を
したいんだけど...いいかな?」

「あ...はい。」

俺は楠木さんのほうに視線を
戻した。

でもずっと玲奈たちが
気になってたまらなかった。