「はあー...。」

汗もかいてきて疲れもたまった。
集中力がきれてきたのかもしれない。

「...ん。」

隣から小さな声が聞こえて横を向く。
見るとタオルとお茶を持った玲奈が
立っていた。
玲奈も頬が少し赤く染まっていて
あせも少しかいて暑そうだった。
暑いのは俺だけじゃねえもんな。

「さんきゅ。」

玲奈からタオルとお茶を受け取っても
玲奈は中々俺の隣から離れようとは
しなかった。

「何?集中できないんだけど。」

ついイライラして玲奈に
八つ当たりをしてしまった。

「うん、わかってる。だから和也が
落ち着くまで一緒にいるの。」

「...周りに見られてる。」
俺は的を見ながら言った。

「私たち...付き合っているんだから
よくなーい?それくらいさ。」

それくらいって...どれくらいだよ。

「...玲奈があんま周りにバレないように
してくれって俺に頼んだんだろ?」

「うん。でも今は和也といたい。
わがままで勝手なのはわかってる。」

玲奈が珍しく俺に甘えてきた。
もしかしたら...玲奈もこの合宿が
少しだけ不安なのかもしれない。
そう一瞬だけ思った。

「...俺はしらねえからな///」

「うんっ///」

そう言って玲奈を見ると玲奈は
にっこりと笑っていた。

やっぱり玲奈の笑顔をみた男は
惚れるに違いない。
玲奈をみてそう思った。