俺様王子にご注意を


はー...そしてなんとか生物を乗り切った。

やっぱ難しくてなんにもわからない。

「れいなーっ!」

10分休みになるといつも通り恵美は駆け寄ってくる。

「ねーねー「あの...。」

「...ん??」

恵美が振り返ると...

「笹野さん...だよね??」

「そうだ...けど。」

「やっぱり??中学で一緒だったよな??」

龍也の性格。喋り方。あの笑顔はかわっていなかった。

明るくてみんなに人気者でいつも優しい性格。

誰にでも話しかけるからみんなにモテモテだった。

「うん...そーだよ。」

恵美は私がいるのを気遣って中々喋ろうとはしない。

「あと...大倉さんだったよ...な??」

「うん...そうだよ。」

私のことなんて知らないくせに。

ただ名前を知っているだけのくせに...。

知ったかぶりなんかしないでよ...。

忘れてよ...私のことなんて...。

優しくしないで...

優しくされると思い出してしまうから...。

「ごめん...。」

「へ...??」