でもこの人は...
「西本龍也です。よろしく。」
そういってキレイなお辞儀をした。
どうして...??
なんで...??
どうしてあなたが“ここ”に...??
龍也...??
『あんた...誰??』
急によみがえった記憶...。
思い出したくない記憶...。
やだ...いや...。
足の震えがとまらない...。
すると先生が
「あいている席に座ってほしい。あー、そこそこ。」
その席は最初からあいていた大体ま行の人が座る席。
遠くてよかった...。
するとみんな龍也のことをみているけど1人だけ視線を感じたからみると恵美が口パクで
(りゅ・う・や・く・ん)
といってきた。
そんなのわかっている...。
私が1番...。
恵美は中学から一緒だから私と同じようにすぐにわかったのだろうけど...。
それに...私の過去を知っているし...。
龍也はきょろきょろして周りを見渡していた。
気づかれたくない...。
でも目が龍也から離れない...。
そしてとうとう...目があってしまった。
あっちも少しビックリしたような顔をしていた。
私は焦ってすぐに目を反らした。
絶対あわせたくなかったから...。

