「そこで何をしている!?」
凛とした声が噴水の広場に響き渡る。
同時にエミリーの腕を掴んでいる男の手が捻じり上げられる。
男は相当痛いのか、顔を歪めて呻いている。
さっきまで貼りつけていたニヤケ顔がみるみる青ざめていく。
急に自由になった身体によろめき、力なくその場にへたり込むエミリー。
メガネはいつの間にか外れ、石畳の上で踏まれたようだ。
フレームが歪み、レンズは粉々になっている。
漸く男の手から離された白く細い腕は、真っ赤になっていてじんじんと痛む。
「大丈夫かい?子猫ちゃん」
言いながら手を取り、優しく立ちあがらせてくれたのはパトリックだった。
逃がさないよう片手で男の手を離さないまま、微笑んでいる。
そして、エミリーを庇うように背中にまわすと男たちの前に立ちはだかった。
アランと同じブルーの瞳は怒りの色を見せ、男たちを見据えている。
「パトリック様・・・。俺たちは・・・」
「あの・・・このメイドとお話をしようと・・・」
男たちは青ざめ冷や汗をかいている。
パトリックは掴んでいた男の腕を離しながら
「それにしては、乱暴だったようだが?
見たところ、下級兵士のようだが――――レスターの配下か?」
男たちは団長の名前を出され、慌てふためく。
以前見た紳士的なパトリックとは違う。
背中からも冷酷非情なオーラを放っているのが分かる。
少しでも動いたら、射殺されそうな光を放っている瞳―――
その迫力に男たちは動くこともできない。
「パトリックさん?あの・・・」
エミリーは緊迫した雰囲気に堪らなくなり、思わず呼びかける。
そんなエミリーの雰囲気に、パトリックは大きく息を吐く。
「今回は目を瞑ろう。だが、次回は無いと思え!」
一喝された男たちはバタバタと走って逃げていく。
中には足がもつれて転ぶ男もいる。
逃げていく男たちを見ながら、エミリーはホッと胸をなでおろした。
凛とした声が噴水の広場に響き渡る。
同時にエミリーの腕を掴んでいる男の手が捻じり上げられる。
男は相当痛いのか、顔を歪めて呻いている。
さっきまで貼りつけていたニヤケ顔がみるみる青ざめていく。
急に自由になった身体によろめき、力なくその場にへたり込むエミリー。
メガネはいつの間にか外れ、石畳の上で踏まれたようだ。
フレームが歪み、レンズは粉々になっている。
漸く男の手から離された白く細い腕は、真っ赤になっていてじんじんと痛む。
「大丈夫かい?子猫ちゃん」
言いながら手を取り、優しく立ちあがらせてくれたのはパトリックだった。
逃がさないよう片手で男の手を離さないまま、微笑んでいる。
そして、エミリーを庇うように背中にまわすと男たちの前に立ちはだかった。
アランと同じブルーの瞳は怒りの色を見せ、男たちを見据えている。
「パトリック様・・・。俺たちは・・・」
「あの・・・このメイドとお話をしようと・・・」
男たちは青ざめ冷や汗をかいている。
パトリックは掴んでいた男の腕を離しながら
「それにしては、乱暴だったようだが?
見たところ、下級兵士のようだが――――レスターの配下か?」
男たちは団長の名前を出され、慌てふためく。
以前見た紳士的なパトリックとは違う。
背中からも冷酷非情なオーラを放っているのが分かる。
少しでも動いたら、射殺されそうな光を放っている瞳―――
その迫力に男たちは動くこともできない。
「パトリックさん?あの・・・」
エミリーは緊迫した雰囲気に堪らなくなり、思わず呼びかける。
そんなエミリーの雰囲気に、パトリックは大きく息を吐く。
「今回は目を瞑ろう。だが、次回は無いと思え!」
一喝された男たちはバタバタと走って逃げていく。
中には足がもつれて転ぶ男もいる。
逃げていく男たちを見ながら、エミリーはホッと胸をなでおろした。


