ランチを食べ終わり、メイドの服に着替えたエミリーは
掃除道具を手にし、今日も政務塔の書籍室に掃除に来ている。
この時間、メイには別の仕事をしてもらっている。
エミリーの世話と普段のメイドの仕事で、忙しい毎日を送っているメイ。
少しでも負担を減らそうと、ここの掃除をひとりで任せてもらうことを提案した。
ここなら、普段利用する人は限られていて、
メイの心配するところの”人目につく”ことも少ないだろう。
「でも、人が来たら、隠れて下さいね。約束ですよ」
そう念押しした上で、それでエミリーの気が済むのならと承諾してくれた。
「本当に心配性なんだから・・・」
メイのふくれっ面を思い出しクスッと微笑んだ。
城の書籍室は国中のありとあらゆる書籍を集めてあるため、恐ろしく広い。
一日ではとても掃除は済ませられない。
そのため、曜日毎にブロック分けをして掃除する個所を決めている。
今日は児童書のある棚の場所だ。
「この本はミステリーぽいわね・・・。この本は・・・冒険ものかしら・・・」
ハタキで本の塵を払いながら背表紙の文字を読む。
漸く中学生レベルの文字が読めるようになったエミリー。
もともと本が好きなので、ここの掃除はとても楽しい。
――あの本は何かしら
一番上の棚にある、一冊だけ古びた背表紙の本を見つけた。
何故かその本が堪らなく気になる。
手に取ろうとするが、思い切り手を伸ばしても全く届かない。
ジャンプすると端っこに手は触れるが、取れる気配は微塵もない。
「届かないわ。ハタキでなんとか取れないかしら」
取れないとなるとさらに気になる。
上の方にあるその本を睨み、ハタキを背表紙の上に引っ掛けようと試みる。
それも、あと少しのところで届かない。
「悔しいわ・・・」
掃除も忘れ、目標の本を取ることに夢中なエミリー。
その背後に背の高い人影がゆっくり
ゆっくり近付いてゆく・・・・。
掃除道具を手にし、今日も政務塔の書籍室に掃除に来ている。
この時間、メイには別の仕事をしてもらっている。
エミリーの世話と普段のメイドの仕事で、忙しい毎日を送っているメイ。
少しでも負担を減らそうと、ここの掃除をひとりで任せてもらうことを提案した。
ここなら、普段利用する人は限られていて、
メイの心配するところの”人目につく”ことも少ないだろう。
「でも、人が来たら、隠れて下さいね。約束ですよ」
そう念押しした上で、それでエミリーの気が済むのならと承諾してくれた。
「本当に心配性なんだから・・・」
メイのふくれっ面を思い出しクスッと微笑んだ。
城の書籍室は国中のありとあらゆる書籍を集めてあるため、恐ろしく広い。
一日ではとても掃除は済ませられない。
そのため、曜日毎にブロック分けをして掃除する個所を決めている。
今日は児童書のある棚の場所だ。
「この本はミステリーぽいわね・・・。この本は・・・冒険ものかしら・・・」
ハタキで本の塵を払いながら背表紙の文字を読む。
漸く中学生レベルの文字が読めるようになったエミリー。
もともと本が好きなので、ここの掃除はとても楽しい。
――あの本は何かしら
一番上の棚にある、一冊だけ古びた背表紙の本を見つけた。
何故かその本が堪らなく気になる。
手に取ろうとするが、思い切り手を伸ばしても全く届かない。
ジャンプすると端っこに手は触れるが、取れる気配は微塵もない。
「届かないわ。ハタキでなんとか取れないかしら」
取れないとなるとさらに気になる。
上の方にあるその本を睨み、ハタキを背表紙の上に引っ掛けようと試みる。
それも、あと少しのところで届かない。
「悔しいわ・・・」
掃除も忘れ、目標の本を取ることに夢中なエミリー。
その背後に背の高い人影がゆっくり
ゆっくり近付いてゆく・・・・。


