丁度その頃、執務室の中では、シンディがアランを連れ出そうと奮闘していた。
「ね、アラン様、早く行きましょうよ。時間がもったいないわ」
椅子に座ったままのアランの腕をぐいぐいと引っ張るシンディ。
「その書類、サインするだけなんでしょ。後でも出来るわ」
「分かった。そんなに引っ張るでない・・・もう少々待っておれ」
引っ張られながらも書類にサインをし終わり、アランはすっと立ち上がった。
その拍子に、腕を持っていたシンディは引っ張っていた力がすっぽりと抜けたため、手を離してしまった。細い身体が後ろにスーッと倒れていく。
「あ・・れっ―――?」
「―――シンディ!」
アランが咄嗟にシンディの背中に腕をまわして素早く支えた。
綺麗なブルーの瞳が見開かれ、銀の長い髪がサラリと揺れ、毛先が床にパラっと散らばった。
「アラン様―――」
「シンディ大丈夫か?」
目の前に眉を寄せた心配げなアランの顔があって、息もかかりそうに近い。
夢にまで見た光景。
――私、今、アラン様に抱かれてる。
いつも腕の外にいるのに、今はこの逞しい腕の中にいる。
ブルーの瞳には、他の誰でもなく何物でもなく、映ってるのは私だけ・・・。
きっかけはどうであれ、これは滅多にないチャンス。
もう少しこのままでいたい。
シンディはアランの首に腕をまわして、ぎゅっと抱きついた。
「びっくりしただけ・・・大丈夫。だって、アラン様が抱きとめてくれたもの」
アランのさらさらの髪がシンディの頬をくすぐる。
ふんわりと漂ってくる男の匂い。お兄様とは違う匂い。
――ね、アラン様は知らないでしょ?
子供のころからずっと・・・ずっと私が背中を追いかけてきたこと。
ずっとアラン様を見て来たこと。
だから誰よりもアラン様を知ってる。好きなものも嫌いなものも。
私、アラン様に似合う女になろうと思って、ずっと頑張ってきたのよ?
だって大好きなんだもん。
誰にも渡したくないの。
エミリーさんにもマリア姫にも。
誰にも―――
シンディの想いが膨らみ、気が付いた時には震える声で囁いていた。
「アラン様・・・大好き・・・」
薔薇色の頬。瞳がうるうると揺らぎ、アランをじっと見つめた。
アランはどう思ってるのか、全く反応がないまま、相変わらず無表情のまま、シンディを見下ろしている。
一方シンディの一旦口にした想いはどんどん溢れていく。
「アラン様、私ね、ずっと好きだったの」
「ね、アラン様、早く行きましょうよ。時間がもったいないわ」
椅子に座ったままのアランの腕をぐいぐいと引っ張るシンディ。
「その書類、サインするだけなんでしょ。後でも出来るわ」
「分かった。そんなに引っ張るでない・・・もう少々待っておれ」
引っ張られながらも書類にサインをし終わり、アランはすっと立ち上がった。
その拍子に、腕を持っていたシンディは引っ張っていた力がすっぽりと抜けたため、手を離してしまった。細い身体が後ろにスーッと倒れていく。
「あ・・れっ―――?」
「―――シンディ!」
アランが咄嗟にシンディの背中に腕をまわして素早く支えた。
綺麗なブルーの瞳が見開かれ、銀の長い髪がサラリと揺れ、毛先が床にパラっと散らばった。
「アラン様―――」
「シンディ大丈夫か?」
目の前に眉を寄せた心配げなアランの顔があって、息もかかりそうに近い。
夢にまで見た光景。
――私、今、アラン様に抱かれてる。
いつも腕の外にいるのに、今はこの逞しい腕の中にいる。
ブルーの瞳には、他の誰でもなく何物でもなく、映ってるのは私だけ・・・。
きっかけはどうであれ、これは滅多にないチャンス。
もう少しこのままでいたい。
シンディはアランの首に腕をまわして、ぎゅっと抱きついた。
「びっくりしただけ・・・大丈夫。だって、アラン様が抱きとめてくれたもの」
アランのさらさらの髪がシンディの頬をくすぐる。
ふんわりと漂ってくる男の匂い。お兄様とは違う匂い。
――ね、アラン様は知らないでしょ?
子供のころからずっと・・・ずっと私が背中を追いかけてきたこと。
ずっとアラン様を見て来たこと。
だから誰よりもアラン様を知ってる。好きなものも嫌いなものも。
私、アラン様に似合う女になろうと思って、ずっと頑張ってきたのよ?
だって大好きなんだもん。
誰にも渡したくないの。
エミリーさんにもマリア姫にも。
誰にも―――
シンディの想いが膨らみ、気が付いた時には震える声で囁いていた。
「アラン様・・・大好き・・・」
薔薇色の頬。瞳がうるうると揺らぎ、アランをじっと見つめた。
アランはどう思ってるのか、全く反応がないまま、相変わらず無表情のまま、シンディを見下ろしている。
一方シンディの一旦口にした想いはどんどん溢れていく。
「アラン様、私ね、ずっと好きだったの」


