「お待たせいたしました。 さぁ、どうぞ、お召し上がりくださいませ。 ほんに可愛らしい森の妖精のようなお嬢さまでございますね。 お召しものがとてもよくお似合いでございます。 坊ちゃまは、森の静けさに少々退屈されてございましたので、 お嬢さまにいらしていただけてよろしゅうございました」 詩乃は、冷たい紅茶と牛乳寒(ぎゅうにゅうかん)を円卓に並べて、 祐雫に微笑みかけた。