「こちらをお誕生日の贈りものとして包んでください」 何時までも熱いまなざしで、 慶志朗の消えた人込みを見つめて佇んでいる祐雫を背に 優祐は、売り場係に 深緑地に薔薇色の格子の襟巻きを手渡した。 祐雫は、青い封筒を胸に抱いて、慶志朗との再会に感動していた。