九月中旬の日曜日。 優祐と祐雫は、祖父・啓祐の誕生日の贈りものを 探しに百貨店へ出かけた。 カシミヤの襟巻きを贈りものにすることに意見は一致したものの 色で二人の意見は、相反していた。 優祐は、薔薇色の格子の襟巻に手を伸ばすと、 祐雫は、すぐ横の空色の格子の襟巻を取り上げた。 「優祐、 おじいさまは、空色がお似合いになられると思います」 祐雫は、自分の意見を通す性格だった。