「こんにちは」 森が開けたところに別荘があり、テラスから声が聞こえた。 祐雫は、神の森の思い出に浸っていたので、 神の声が聞こえてきたのかと思い、どきっとした。 「申し訳ない、突然声をかけて驚かせてしまったようですね」 見上げた祐雫の瞳へ 白いシャツに空色のカーディガンを肩にかけた 青年の穏やかな笑顔が飛び込んできた。 一瞬、夏空が祐雫の瞳に飛び込んできたかのようだった。