「友梨の身体、そんなに悪いの…?飛行機にも、乗れないくらい?もう私、日本に帰りたい。お兄様と2人で、はやく深山咲-みやまさき-のおうちに帰りたい。ここは嫌……コワイ」


そんな友梨の涙を拭いながら、芳情院は触れるだけのキスをした。


すると友梨は一瞬身体を硬くしたものの

すぐにそれを解いて芳情院の唇を受け入れ、さらに深いキスをねだった。


「お兄様……友梨はこんな、淫らな……オンナ、でした?」


自分の感覚に恥じらいながら、芳情院に問いかける。


「淫らだなんて思わないよ。友梨はずっと、綺麗なままだ」


友梨の背中を撫でながら、芳情院。


「お願い…お兄様。友梨の事…嫌わないで下さいませね。お兄様に嫌われたら、私……生きていけない」


愛する友梨をやっと手に入れて、唇を重ね、極上の告白に酔いしれる。


綺麗な友梨は、今僕の腕の中にいる。


なのに


この胸に残る情念の焔が


まだ


消えない……